一個流し生産
圧空・真空成形品の製作物や製作数量によっては、一人の作業者が製造工程の最初から最後までを担当する『一個流し生産』の方式で成形品の製作をしています。
『一個流し生産』は生産上の問題点を見つけ出して改善する為に有効な生産方法です。
一個流し生産の特長
『ダンゴ生産 (ロット生産)』で30個の製品を製作する場合は(A)の工程で30個全てを製作してから(B)の工程に掛かり、(B)で30個全てを処理してから(C)の工程に30個の製品を移して(C)の作業に掛かります。
(A)の作業が全て終わるまで(B)の作業者は待機することになります。
『一個流し生産』ではこの待機時間を省くことが出来るので、リードタイム (lead time: 作業に着手して全ての工程を終えるまでの時間) を短くすることが出来ます。

また『一個流し生産』のサイクルに複数人が参加することで生産性を向上させることも可能です。
複数人が参加した場合でも各作業者が責任を持って最初の工程(A)から最後の工程(E)までを一人で担当して1個1個の製品を製作します。

材料の無駄を最小限にする
『ダンゴ生産 (ロット生産)』で30個の製品を製作する時に、(A)の工程が終わった時点で設計変更が出て来たりすると、この時点で30個分の製品材料が無駄になってしまいます。
『一個流し生産』では15個の製品が最後の工程まで終えて完成していた時点で設計変更が出て来ても、無駄になる製品材料は15個分で済むのです。

問題点が発見し易い
『一個流し生産』では1人の作業者が(A)(B)(C)の工程を経て(D)で検品をすることになりますから、検品で不合格だった時に問題が(A)に有ったのか(B)だったのか(C)だったのかを判断して改善することが容易です。
次のサイクルからはその問題点を改善して作業を進めることで時間や材料の無駄を少なくすることが出来ます。
